早い話がVoigtländerのHELIAR Classic 50mm f1.5を購入した話です
かなり予約が殺到しているようで、2021年9月現在、在庫は少なめな印象
キャンセル待ちが出たので購入
Classic LineとVintage Line
レンズの銘にもあるHELIAR 「Classic」
これはClassic Lineを表す表記で、
伝統的なレンズ構成やコーティングを現在の技術で再構成し、最新レンズが持っていない独特の「味」を活かした描写を目指したシリーズである
一方、「Vintage」シリーズもラインナップされている
こちらはClassicシリーズとは違い、レンズの中身は最新の光学設計で外装にクラシカルなスタイルを採用したモデルとなる
HELIARとは
ヘリアーの歴史は古く、1900年にハンス・ハーティングが設計、VoigtländerがHELIAR f4.5として製品化した
イギリスで生まれたトリプレットはかなり優秀なレンズで様々な派生型が登場した
前玉と後玉の2枚をイエナガラスを使用し張り合わせレンズにしたダブレットに変更し3群5枚構成としたものがヘリアーである
トリプレット型に比べて周辺まで解像度を維持しつつ広角に強いレンズとなった
ダブレットを使用している以上、球面収差を補正できないことから、結像は柔らかく諧調豊ながらも芯があり妖艶な描写となった
当時は肖像写真を生業とする写真館らから絶大な支持を得たという
初代ヘリアーは前郡・後郡完全対称型であったが、初代が完成した2年後の1902年には同一構成ながら対称型を崩し、ペッツバール和を小さくし、象面を平坦にしつつ非点収差を補正した2世代目ヘリアーを設計している
1921年にロバート・リヒターが設計した3世代ヘリアーではf3.5を実現
一般的にヘリアー型はf2.8が限界と言われている
スペック
レンズ構成 3群6枚
コーティング シングル
絞り羽根 10枚
最短撮影距離 0.5m
距離計連動 0.7mまで
フィルター径 49mm
最大径×全長 56.8×41.9mm
重量 255g
上記のようにf2.8で限界と言われていたヘリアーを現代の技術でf1.5という明るさを実現させている
また、最短撮影距離が50cmと短い
通常では距離計は70cmまでしか連動しないが、ライブビュー等を使用すれば50cmまで寄る事ができ、
M型デジタルカメラや、その他のミラーレスカメラを意識した作りとなっている
Voigtländerでは他にもNOKTONの35/1.2やVintage LineのULTRON 28/2なども最短撮影距離が50cmに設計されている
専用フードとフード装着時に使用する被せ式レンズキャップも同梱される
どうでもいいが、レンズのサイズの割に箱はかなり大きかった
外装
本体はブラックペイント仕上げとなっている
絞り、フォーカスリングにはローレットが彫り込まれていて、指によく馴染む
躯体はアルミだが、距離メモリは真鍮にニッケルメッキを施した材料が採用される
作例
新宿でテスト撮影をした
こちらは絞り開放での作例
カメラはLeica M10
こちらは中央部付近の拡大
自動車のヘッドライトやテールライトは滲み、
こちらは画面上部の拡大写真
モノクロではレンズ枚数が少ないので抜けの良さが際立つ
こちらは開放の写真
麻雀で言うところの役満みたいな絵を吐き出している
こちらはf5.6(多分)の写真
開放でも中央部は十分に解像している印象
作例
下記は全て開放時の作例
何の参考にもならないがストロボライティングしてみた
絞りはf4
まとめ
120年前のレンズをベースに、
現在の技術によりf1.5という明るさを纏って蘇った伝説的レンズ
手頃な価格にしてクラシカルな外見と味わい深い描写
Best of クセ玉
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