先日こんなツイートをしたんですよ。
流行りの(?)やつ書いてみた
— 八島颯也 (@FuyaApple) June 9, 2021
ライティングの方向性の解説 pic.twitter.com/Gbp4MmYHLR
普段バズる事のない僕のツイッターで4000以上のいいね獲得しているでは無いですか。
内容はこの写真を撮った時のHow toですね。
ほぇー
需要あるんだなこーゆーのって思ったので、
この記事ではこの写真の撮影方法を詳しく解説しようと思います。
注意事項
はじめに断っておきますが、これはセオリー等を無視した完全に我流なやり方です。
私は仮にも写真撮影関連の職に就いている人間ですが、普段現場ではこの様な撮影はあまりしません。
この辺りは完全に趣味の領域です。
でなければLeicaなど使わずにもっと合理的なカメラを使います。
「趣味こそ本気で」とは言いますが、自分が満足した時点でそこが最高到達点です。
なので写真も「構図が〜」とか「前ボケが〜」とか「詰めが甘い〜」等の文句をお持ちの方もいらっしゃると思います。
ごもっともでございます。
機材やロケーションに制限がある中での、
「私なりに最適化したやり方の紹介だよ」
ぐらいの認識でいてくれると助かります。
さて、本編に入りましょう。
機材編
バイクでの移動を考えると機材は少ない方がライダーへの負担は少ないです。
なので自分なりに最小機材になるように考えた結果は下記の通りです。
はい、めちゃくちゃ少ないですね。
これならウェストバッグに全て収納できます。
最低限必要なアイテムは、
①カメラ
②三脚
③ストロボ
④合成ソフト(Photoshop等)
これだけあれば最低限の写真が撮れます。
各機材の詳細解説
①カメラ
私はLeica M10を使用していますが、ぶっちゃけなんでもいいです
ストロボさえ同調するのであれば10年前のカメラでも、エントリー機種でも遜色なく撮影可能です。
レンズは望遠レンズがあれば好ましいですが嵩張るので換算50mm前後をお勧めします。
私は90mmがお気に入りです。
そこそこデカいので気合を入れた撮影でしか使いません。
②三脚
私はLeofotoのMT-03という卓上三脚を使用しています。
無ければ地面にカメラ置いても構わないです。
要はカメラを固定できていれば何でもいいです。
私の場合上記の写真を撮影した際、友人のバイクのシートの上にカメラを置いてました。
卓上三脚では高さが足りませんでしたので苦肉の策ですが、問題なく撮影可能でした。
ただし、カメラをにシャッターレリーズやリモコンを付けるなどして撮影中は絶対に動かないように工夫してください。
僕のカメラはWifiを使用してスマホから遠隔でシャッターを切っていました。
③ストロボ
これはワイヤレス機能発光できる機種であればなんでもいいです。
中華製のストロボで十分です。
5000円ぐらいあれば買えます。
私はFlashQ Q20Ⅱを使用しています。
一見すると普通のクリップオンストロボですが、発信機が内蔵されていてワイヤレス発光が可能です。
④合成ソフト
1番ネックになるのは合成ソフトだと思います。
私はPhotoshop iPad版&Apple PencilかPCでPhotoshop 2021&ペンタブを使用しています。
しかし、
「私PCやiPad持ってない...」
「マウスやトラックパッドでは綺麗な合成が出来ない」
「そもそも知識が無い...」
などの声が聞こえてきそうです。
なので今回はスマホ版のPhotoshop、
「Photoshop MIX」を使用して合成をやってみようと思います。
こちらは無料アプリです。
撮影
まずはロケーション選びです。
もし、背景が真っ黒でよければ、割とどこでも撮れます。
上記の写真のような場所であれば比較的に場所は選びません。
1枚目はどこかの駐車場ですし、2枚目は高速道路のPAです。
一方背景とバイクを写す場合、フレーミングに気を使う必要がありますし、ライティングの方向性も変わってきます。
背景の光とバイクのライティングが違いすぎては違和感が出てきてしまいます。
整合性を保つ意味でも背景の光はライティングの方向性を左右します。
ライティング
無事にバイクのポジションが決定したらいよいよライティングです。
ここで重要なのは写真の方向性を先に決めること
「具体的にどんな写真を撮りたいのかイメージしてから作り込む」
これを考えていないと素材写真が無限に増えて後で面倒ですし、合成する際に不都合が増えてきます。
なので、
・どこに光が当たっていれば良いか
・何枚合成する必要があるのか
を撮影の段階で決定する必要があります
考え方として、
・タイヤ
・エンジン
・タンク
・地面の素材
が最低限合成に必要な素材で、
プラスαとして
・逆光の様なハイライト
・ヘッドライト
・背景
・フォーク等の細かい部分
などを加飾して行けばOKです。
撮影の方法ですが、
ストロボは手持ちで直接バイクに向けて撮影します。
大きなBOX等を利用した方が面光源ですので光が柔らかくなり、綺麗なライトになりますが、ツーリング中の写真撮影である事を考えるとコストパフォーマンスは低いです。
この様にストロボを棒に装着して高い位置からでも光が当てられる様にすると便利です。
この方法でバイクのパーツ毎に素材を撮影していきます。
冒頭の写真の場合の素材は以下の通りです。
↓タンク、エンジン用写真
あくまでもタンクとエンジンの素材なので画面右側に自分が映り込んでも問題ありません。使うのはタンクとエンジン部分だけなので合成の段階で消えます。
↓後輪用写真
ディスクブレーキ等の光沢がある物の場合、光を正面から当ててしまうと光すぎてしまうのでサイド目に光を当てています。
↓前輪用写真
前輪と同時にフォークにも光の線が入る角度を探しました。
↓地面用写真
バイクの奥の空港の様に、上からスポットライトが当たり、飛行機の駐機場を演出したかったのでこの様にライティングしました。
ストロボに棒をつけてかなり高い位置から光を地面に打ち下ろしています。
↓背景用写真
この写真はストロボを使わないで撮影しました。ホワイトバランスがストロボ用から背景用に変わっています。
(ここで背景にピンを置いてしまいましたがボケていた方が自然になると思います。)
↓ヘッドライト用写真
この写真もストロボを使わないで撮影しました。バイクのヘッドライトは色がずれやすいので撮影後に調整は必要です。
Vitpilenの場合はポジションライトが特徴的なのでコレを使います。
そんなこんなで撮影は終了
撮影時間は10分ほどで、合成枚数は6枚となりました。
余談ですが、Leica M10はWifiでカメラからライブビューで確認しながらシャッターが切れるので非常に便利です。
RAW現像
撮影した写真は全て同一の編集を行います。
(背景用などストロボを使用していないカットに関してWBは個別調整となります)
今回はスマホ版のLightroomを使用します。
もしLightroomがない場合でも、iPhoneであれば純正アプリの「写真」である程度のRAW現像が可能です。
ここで揃えなければならない項目は、
・ホワイトバランス
・ハイライト側の明るさ
となります。
私はRAW現像で少しローコントラスト気味に絵を作ります。
その方が合成後の最終調整が行いやすいです。
最後に書き出して、iPhoneの写真で一つのアルバムに纏めておくと分かりやすいです。
合成
先に書いた通り、スマホ版の無料アプリを使用して合成を行います。
まずは、ベース画像を開きましょう
こちらは先程書き出した「タンク、エンジン」の写真です。
最初は「タンク、エンジン」画像に「前輪」の素材を合成してみましょう。
ベース画像が開かれた画面の状態で、右側の「+」を押して前輪素材を選択、上から重ねます。
赤丸で示した部分をみると2枚の画像が重なっていることがわかります
この状態で前輪素材の写真から不要な部分を消去していきます。
前輪素材を選択し、「選択して切り抜き」を選びます。
赤丸の「基本」を押して「+ブラシ」をえらび、必要な部分を指でなぞって選択していきます。
市松模様にグレーアウトした部分は消去されていて写らない領域です。
「—ブラシ」を選択すれば自分で選択した範囲を逆に消すことができます。
ここからは忍耐勝負です。
頑張ってアウトラインをなぞっていきます。
そしてこちらが完成した状態です。
(割と雑ですがこんなもんでも大丈夫です)
この様に必要な部分を選択し終わったら赤丸で印した右下のチェックマークを押して元の画面に戻ります。
そうすると前輪素材写真から前輪以外の不要な部分が消去されベース画像の上に重なっていることがわかります。
これで「タンク、エンジン」と「前輪」の画像のそれぞれ光が当たっている部分の合成が出来ました。
わかりやすく確認するために赤印の右側の「レイヤー」をダブルタップしてみましょう。
わかりやすいようにGIF画像貼っておきます。
もしも下記画像の様に合成がうまくいっていない部分があれば「選択して切り抜き」まで戻って再調整をおこないます。
同じ仕組みで、後輪素材、背景、地面、ヘッドライトを合成していきます。
そうして完成した写真はこちらです。
そこからさらにLightroomで色味等を調整していきます
必要な部分だけをマスクで囲い、色味や明るさを調整します。
この場合はバイクと地面と背景を別々にに調整しました。
そして完成です。
ご査収ください。
まとめ
カメラは持ってるけどストロボは持っていないというライダーは多いと思います。
ストロボとミニ三脚があるだけでここまで絵を作り込めるのであれば使わない手はないです。
もはやここまで来ると写真と絵の境界が無くなっている気もしますが、自分の趣味である写真の表現の幅を広げられると考えるとコスパは高いと思います。
この知識はバイクに限らず様々な被写体に流用可能です。
これは友人の車の撮影をした時のアガリですが、やっている事はこの記事の方法と全く同じです。
ストロボライティングって敷居が高いと思っている皆様、案外間口は広いかもしれません。
最後にライティングしたバイクの画像ギャラリーを作って終わりにします。
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