最近、筆者のTwitterで撮影技術関連のツイートがよく伸びている
バイク撮影解説 pic.twitter.com/GDGSIfmYpj
— 八島颯也 | FuyaYashima (@FuyaApple) November 17, 2022
味を占めた筆者はブログ等でもライティング関連の情報発信を行っている
想定している読者ターゲット層は、
「カメラや基礎知識があるけど、ストロボやLEDでのライティングは未経験」
と設定している
しかしながらある程度のカメラやライティング機材や三脚、Photoshop基礎知識など、要求される機材やスペックはやや高い
なので今回は予算上限を設けて
「なるべくコストをかけずにどこまでクオリティの高い写真が撮れるか」
という企画をやっていこうと思う
勿論カメラとレンズも予算内に含めるものとする(最重要)
予算1万円
まず予算を決めねばならない
初心者でも気軽に参入できる価格帯で、最低限の写真が撮れる金額を設定せねばならない
ここでは10000円に設定した
呑み会を数回我慢すれば拠出できる金額だ
必要機材
とりあえず最低限必要な機材を書き出してみた
・カメラ
・レンズ
・三脚
・ライト
・Photoshop等
上記のそれぞれを、最安値で購入していこうと思う
この記事を読んでいる諸君、どうせ1万円相当のライト機材が紹介されると思っている方も多いだろう
否、本企画ではカメラもレンズも三脚もライトも含めてコミコミで1万円を目指す企画である
カメラ
まずはカメラから
カメラを探している最中に年越しを迎えたのだが、ちょうど銀一の新春セールが開催された
SNSにて事前に内容が公開されるのだが、目を奪われる物が出品されていた
Canonの5D MarkⅡである
お値段は驚異の3000円
後先考えずに車に乗り、早朝からセール会場に並んで入手した
さて、5D2である
ちなみに筆者が仕事で使うカメラは5D2の後継に当たる5D4
発売日は執筆当時から15年前の2008年
フルサイズで2100万画素と常用最大ISO6400、拡張25600を誇る
当時のCanonが誇ったオールマイティ機種だ
シャッター回数が4万5000回だったのでややカウント過多だが、それでも3000円は鬼安い
ちなみに動作に問題はなかった
ライティング撮影ではISO感度がネックになる事は少ない、三脚に据えて長時間露光をするのでISO感度は低くても問題ないのだ
メタ発言だが、5D2が3000円はチートだと思う
このボディ無くしてこの企画は成立しないが、「友人から安く譲ってもらった」とか「作動未確認のジャックを買ったらたまたま動いた」とかでは無く、セールとは言え、ちゃんとした店で作動確認済み品を買っているのでそこは許していただきたい(すまん)
レンズ
レンズは手持ちの24-70/2.8を使ってもいいが、価格は20万円ほど、今回の企画予算の20倍だ、コンセプトに見合わないので、低価格なレンズを探すことにした
色々探し回った結果、
フリマサイト大手のメルカリで手に入れたのはこちら
EF 35-105mm f3.5-4.5
1987年発売のレンズで今から36年前のレンズ
勿論当時はフィルムが主流の時代(EOS 650等)
直進ズームで非球面レンズを搭載した標準レンズで当時結構評判が良かった(らしい)
お値段は同じく3000円で鬼安い
三脚
三脚はAmazonで1500円のものを選択
正直これ以上安いものはスマホ用だったりするのでこの三脚がおそらく最安値だろう
ライト
ライトもAmazonで1500円のものを選択
こちらはバッテリー内蔵式のセンサー照明
主にクローゼット等で使用する製品
Lightroom
こちらは合成用ではなく複数枚撮影する写真等の明るさや色味を揃えるために使用する
また、合成後の写真の最終調整にも役にたつ
Photoshop
今回はiOS版のPhotoshop Expressを使用する
こちらは無料で使用できる合成アプリ
マスクの切り抜きと比較明合成ができるならなんでも良いが、今回は信頼のあるAdobe製にした
合計金額
ここまでで合計9042円となった
ロケーション
購入したバーライトの明るさが足りないので撮影場所は暗い場所を選ぶ、暗ければ暗いほど良い
どういうことかと言うと
撮影環境とライトの光量の差が欲しいのだ
例えば、iPhoneのライトは真っ暗な夜道を照らすのに使うことがあるだろう、しかし日中は足元を照らすことができない
撮影環境が暗ければ相対的にライトが明るくなる
ライトの光量はライト自体ではなく、撮影する環境によって調整できるのだ
明るい場面でもライトの光量が確保されていれば撮影自体は可能
下の画像は夜でも照明が明るい大黒PAにて撮影
ライトは自作のクソデカ面光源
なので、今回は都内の沿岸部で街頭もないような暗い場所を選んだ
先ずは、三脚にカメラをセットする
プラスチッキーでめちゃくちゃ不安
シャッターボタンを押した際に必ずブレるのでレリーズケーブルや、2秒のセルフタイマーを使ってブレを軽減する
今回の車両はDuke250
撮影解説
基本的な撮影方法は下記の記事と同じ手法を使用する
カメラの設定は下記の通り
設定はISO400でF8、シャッタスピードは8秒
筆者の写真はいずれも合成ベースだが、使用枚数は少ないほど合成のハードルが下がる
今回は3枚にした
撮影データ
(正直2枚目のカットはなくても成立するだろうなとは思った)
撮影してて特に気になったのは古いレンズが故に盛大なハレーションが入ってしまうと結構厳しい
もし、ハレーションが入ると合成難易度は格段に上がってしまうので気をつけよう
下記はハレーションが入ってしまって合成に不向きな例
ハレーション対策としては、ライト自体にハレーションを切るフード(いわゆるハレ切り、グリッド等)を装着したり、レンズ自体に大型のフードを装着する、カメラをなるべく被写体から離して、ライトの光が直接レンズに当たるのを避けるなどの方法がある
編集
撮影はRAW記録なので、まずはLightroomにて基本的な調整をかける
ここで気をつけるのはハイライト側の明るさを揃える事と色味を揃える事
この先は文章で説明するとめちゃくちゃ長くなるので動画にしてみた
基本的には以前紹介した手法と同じだが、アプリ側のアップデートが実施されたのでUIが少し違う
こちらが完成写真
その他の作例
同じ手法で撮影した写真を掲載する
どれもコストU1万円とは思えない写真に仕上がった
まとめ
予算1万円と言う企画で撮影した今回の記事だが、思いのほか、普通に撮影ができてしまった
実のところ、オートフォーカスも使っていないし、高ISO感度での撮影も行っていない
今回使用したカメラは型落ちとは言え、当時のプロ向けの機種、今回はたまたまセール中古ボディが手に入ったので1万円企画が成立したが、これは運要素が強い、
しかしながらもう既に現行のエントリー機種をお持ちの方や3000円とは言わないでも数万円程度で買える中古ボディでも問題なく撮影ができるだろう
私は普段15万円するほど三脚を使っているが、アマゾンで購入した1500円の物でもしっかりブレの対策を行えば、クオリティーの差は少なかった
正直、これ以上安くしようとすると、ライトをiPhoneのライトに変えるなど工夫が必要になる
そして、今回のようなライティングの記事を書くと、同じくバイクや車を撮影している自称カメラマン達からブログやSNSで、あまりこのような記事を書かないでほしいなどのメッセージが来ることがある
筆者の回答は「知らねーよ、好きにさせろ」である
これらライティング等の特殊技能は確かに独占職だ、
その昔、カメラマンは修行してようやっと就くことのできる「職人」と言われてもおかしくない技能職だった、
しかし今は情報がネット上に溢れている時代、クオリティや撮影技法はオリジナリティではないし、今は誰でもカメラ三脚ぐらい持っている時代
勝ち負けの世界ではないが、1万円以下の機材でもここまで撮れてしまうのであれば、私も含めて更なる切磋琢磨が必要だ
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