「超ハイアングル」電動雲台 買った話



さて、年の瀬も迫った今日、皆々様はいかがお過ごしか


突然だが、こちらを見てほしい


筆者の愛車MAZDA3である


ハイアングルで撮影したこのカットは三脚を使用して撮影を行っているの

アングルが高いと正面からでもボンネットの長さやキャラクターラインを捉えることができ、普段見ないような愛車の姿は目新しい印象を与える

このアングルの撮影、実はとても大変なのである


この様に他の車両の屋根にカメラを据えている

この方法であれば3m以上の高さを稼ぐことができる


当然の事ながら、このオレンジの車のオーナーは三脚を屋根に置くことをあまり良くは思っていないだろう


ハイアングル撮影を可能にしたい場合、一般的には背の高い三脚を購入するのが常だろう

価格.comで高さが2.7m以上の三脚を探すと下記の3点のみ

(2.7mはスタジオライティング経験者なら馴染みのある長さだろう)

ハスキーは機構違いで2種類掲載されているので実質2択


10万円 or 20万円

いやいや、高い

これなら車の屋根に三脚乗せた方がマシである


どこで考えた結果、

三脚以外にも頑丈なライトスタンドがあればその上にカメラを載せることができる

と、思って手持ちのライトスタンドを探したら下記のスタンドが出てきた


こちらの製品はSelens製で2.8mの高さのかなり頑丈なライトスタンドである


お値段は2本で8000円

20万円の三脚に比べたら超安い、消費税だけで5本買える計算だ


このスタンドに雲台を付けてあげれば鬼身長の高い三脚の完成


かと思いきや、別の問題が、

一度カメラの高さを上げてしまうとカメラに触れなくなってしまう

そうなると角度の調整等が一切出来ない

アホな筆者は、

「2.7mの脚立用意するかー」

とか考えていたが、その場合脚立に登って撮影すればいい話である

至極当然な話なのだが、これを解決しようとすると遠隔操作が必要になる


そこで、購入したのはこちら

いわゆる電動雲台というやつだ

SOONPHOというメーカーから発売されている

これでもかというほど中華臭が漂っている

この雲台があれば回転と角度の調整が可能になる


普段なら新規機材を購入する際、検討に検討を重ね、競合を調査し尽くした上で買うのだが、

今回は首振りと回転機構があれば特に他の機能は要らないので耐荷重と角度レンジのみの選定で購入した


タイトル回収の「超ハイアングル」とは三脚では一般的でない高さからの撮影を意味する

上記価格.comで調べた3mの三脚など、勿論脚立が無いと操作できないので結局電動雲台を買う事になるだろう

外観


本体スイッチ部分


2Wayの水準器を備える


電池はバッテリー式で本体のUSB-Cポートから充電出来る
取り外すことも出来るので電池交換も容易

操作方法
本体のスイッチを操作すると電源が入る
上にするとリモコンでの制御モード
下にすると後述のAI制御モード

筆者の場合、基本的にリモコンを使用して操作する
チャンネルを合わせてから十字キーで操作
パンとティルトの調整は6段階で速度を変更できる
AとBのスイッチは任意のアングルを登録できるポイント
ハイアングル撮影ではカメラを下げた状態でフォーカス合わせを行うので水平と最大顎下げを登録しておくと便利
液晶はバッグライトを備えるので暗闇でも操作可能

機能
この雲台はカメラが内蔵されており、人の顔を追いかける機能があるのだが、実用的なレベルではない
この機能が欲しい人は素直にDJIのジンバル雲台を買おう

またメモリー機能が搭載されており、A地点とB地点を記録できる、ボタンでその登録地点に一周で戻ることができるというものだが、筆者の用途では全く使用しない


筆者なりの使用方法
この雲台の主目的はハイアングル撮影にある

ライトスタンドにウェイトを掛けて3mほどの高さに伸ばす

勿論ファインダーは覗けないのでテザー撮影がメインになる


カメラ内Wifiを使用してスマホでテザーしてもよかったが、操作性やMFが使用したいなどの点から今回はPCのCapture Oneを使用したが、

AFレンズでフォーカスが拾える明るさであれば、DJIのレイブンを使用しても良い


あとはいつも通りのライティング撮影

C1であればPCからフォーカスをマニュアルで微調整出来るので非常に便利


気になるポイントは風の吹く状況下では使い物にならないという点

これはライトスタンドの強度に依存するもので、

対処方法は、より強度の高いライトスタンドを使用するか、無風の状況で使用するしかない


そこで手持ちのセンチュリースタンドを使用してみた
一般的なライトスタンドよりは強度のあるスタンドだ
撮影中はセンチュリーにウェイトをかけて転倒防止策を取っている
余談だが、撮影用のウェイトは非常に高額だ
マンフロットや銀一オリジナルのウェイトは4kgで数万円もする
なので筆者は筋トレ用のウェイトを使用している

話を戻して、
使用したセンチュリーはこちら
電動雲台と同じメーカーであるSOONPHO製
脚が分割式で機動性がマシューズやアベンジャーに比べて遥かに高い(あと安い)
最大身長は3.3m
ここに雲台を設置、ダボの関係でGODOXのダボ1/4インチ変換を挟んだが、強度的にはギリギリ
カメラはCanon EOS R6にSummilux 50mm ASPH
MFレンズなので事前に奥ピンにしてから高さを上げる

被写体は弊機材車のMAZDA3
冒頭で紹介した写真よりもハイアングルでの撮影に成功した
撮影ではカメラ内蔵Wifiを使用し、構図を決めて遠隔でシャッターを切る
洗車ついでだったので、特にライティングは行っていないのだが、見てくれはまともな写真に仕上がった

また、使用する時は安全対策のためにカメラにワイヤーをかける事をお勧めする


参考までにアイレベルと2.7mアングルでの画角の差を掲載する

下記写真はアイレベル160cmぐらいで撮影した画角
レンズは50mm


こちらが2.7mまで上がった写真
アイレベル写真も悪くないのだが、見慣れた風景ではある
ハイアングルではスポイラーとルーフ、プレスラインの表現が可能になった

MAZDA3では説得力が無いかもしれないが、
ミッドシップのスポーツカーなど、リアゲートやルーフにも魅せるべき意匠のある車両でのハイアングル撮影は目新しさを産むだろう


作例
Audi S4
アングルが高いのでボンネットのキャラクターラインやフェンダーの若干な張り出し、ヘッドライトのシャープ形状が効果的に主張出来る


MAZDA MAZDA3
ハイアングルによりリアスポイラーと屋根のコントラスト、若干ではあるがボンネットが映り込む事により伸びやかな印象になった


F4class Sidecar
メンテナンススタンドに乗ったサイドカーは車高が低いのでハイアングルじゃないとその全容が分からない


HONDA Cross Cub
ハイアングルの効果として、背景が映り込みにくい点も挙げられる、
狭いスペースであったが、効果的に被写体を目立たせることが出来る


AUDI S4 紫咲シオン
アングルが上がったお陰でボンネットのイラストやルーフキャリアの存在を確認できるようになった
まとめ

約1万円で普段見ぬアングルを提供してくれるアイテム

ハイアングルなら、地上に存在するアイレベルぐらいの邪魔なオブジェクトを無視できる
複数台が集まるミーティング等でも役に立つであろうし、大人数の集合写真で雛壇が用意できない場合でも、前列が膝を曲げずに全員の顔を写すことができるだろう

制約が多いのも事実だが、SNSではライティング撮影が流行っており、その画角については飽和されている状態、
他との差別化を図りたいカメラマンの諸君、1台持っておくと良いかもしれない

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