TTArtisan AF 27mm f2.8 買った話

前書き
以前の記事でFUJIFILM X-T5のレビューを行っている

X-T3からの買い増しだが、ネイティブなXマウントレンズは
・XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
・XF35mmF1.4 R
・SIGMA 16mm f1.4
・TTArtisan 25mm f2
しか持っていない


そして筆者が最も多用する画角は35mm前後


こちらは以前に作品撮りで撮影したカット

海外資本を頼りに驚異的な速度で成長する都市の姿である
スナップっぽいセットアップ写真で、使用レンズはCanon EF35mm F1.4L II USM
画像1番右
BRレンズと呼ばれる特殊硝材を使用しており、Canonレンズでもっとも気に入っている

FUJIFILMでもX100F(換算35mm)を使っていたり、M10でもSummaronやSummicronの35mmを常用

そんな訳で、筆者が何も考えずに常用レンズを選ぶなら35mm前後を選択するだろう

先にリストアップした手持ちXマウントレンズの内、AF対応レンズは
・純正16-50mm
・準備35/1.4
・SIGMA16mm f1.4
の3本のみ

MFレンズもいいのだが、常用するならやはりAFレンズだろう
そうなると手持ちレンズから2本に絞られる
そして肝心な焦点距離は、
16/1.4は換算で24mm
35/1.4は換算で50mm

50mmは基本の画角と言われるメジャーな画角であるが、実は筆者の苦手とする画角である


なので24mmから50mmの中間焦点距離のAF単焦点レンズ探しの旅に出た



候補選定

欲しい焦点距離は35mm〜40mm付近

35mmは換算値なので、APS-Cなら

35mmは換算約23mm

40mmは換算27mm

となる


MFレンズを含めるなら選択肢は無数に挙げられる

価格.comで調べた23mm(換算35mm)の結果候補は、

FUJIFILM XF 23mm f2 R WR 5.5万円

FUJIFILM XF 23mm f1.4 R 約6万円(中古相場)

FUJIFILM XF 23mm f1.4 R LM WR 11.5万円

SIGMA 23mm f1.4 DC DN 5万円
TOKINA ATX-M 23mm f1.4 PLUS 6.5万円
VILTROX AF 23mm F1.4 XF 4万円

レンジをテレに伸ばして27mm(換算40mm)で調べると、

FUJIFILM XF 27mm R WR 5.5万円
TTArtisan AF 27mm f/2.8 2.5万円
VILTROX AF 27mm F1.2 Pro XF 8.5万円

いくつかピックアップすると、

FUJIFILM XF 23mm f1.4 R LM WR


価格は10万超え、そして全長約8cmはかなり大きい
しかしX-T5の40MPを活かし切るなら必要な選択か


一際目を引くのが

VILTROX AF 27mm F1.2 Pro XF


唯一のf1.2の明るさを持つレンズ
価格も8.5万円と良心的、しかし全長は9cm超え


そしてもう一個ピックアップするなら

TTArtisan AF 27mm f/2.8 2.5万円

何と言っても安い


最近、エアガンにお熱な筆者は金欠状態
という訳でコスパの光るTTARTISANの27/2.8を選んだ

AF対応で最も安く、最も小型で最も軽量

換算では40mmとなるが、ギリギリ許容範囲



その日のうちにAmazonで購入、翌日入手した



外見

全長33mmとボディに装着しても突起の少ないコンパクトな見た目

外装の質感は必要にして十分

手に持った印象は「軽っ!!!」だった

それもそのはずで重量はまさかの90g


絞り開放の2.8では青い刻印

f16の次はAモードに入る


シリアルと「MADE IN CHINA」

レンズ正面の文字は完全な白ではなくグレーで刻印されている
個人的にすごい好み



描写
まず本レンズは高解像度レンズではない、
が、開放から中心部は実用的なシャープネスを誇る

しかし、周辺部分の解像はかなり緩く、周辺減光とも相まってクラシックな印象、

1段絞ってF4辺りではシャープでコントラストの高い現代的な画質に、

F8以降は回折の影響が出てくる


本レンズはどちらかというと、オールドレンズのような描写が特徴で、

最新レンズのような超高解像度、高コントラストな描写とは真逆の絵作り



フルサイズ換算40mmのため、歪曲は目立たないが、若干の樽型気味

周辺減光が大きく、F8まで絞っても若干の減光が残る

最短撮影距離は35cmとやや長め
テーブルフォトは苦手意識がで始める


TTArtisanのレンズ達は逆光耐性がウィークポイント、

このレンズも例外ではなく、絞り開放時に強い光源を正面から受けると盛大なフレアが発生

F8からF11辺りで概ね抑制されるが、それでもゴーストが残る



また、防塵防滴機能がなく、絞りリングやフォーカスリングの操作性は最新レンズ達にやや劣る



テスト撮影

週末にデイキャンプへ出かけたので、レンズも一緒に持ち出してみた




FUJIFILMのレシピを書いておく

SS:1/85 f2.8 ISO1600
DR:400%
WB:5800K
Shift:R-3,B-1
FILM:NN
GRN:Strong,Large
H-Tn:+4
S-Tn:+3
COL:-1
SH:-2
ISO NR:-4
CCR:Strong
CCB:Strong
SSK:Weak
CLARITY:0

上記設定で撮った写真が下のもの
AF性能
中華レンズで気になるのはAFの性能だろう
そもそも正式にFUJIFILMがTTArtisanにマウント情報やAFシステムの情報を開示したとは思えないし、価格や大きさを考えるとAFはオマケ機能程度の認識だった

実際届いてからAFをテストすると、
その予測は大幅に裏切られる事となる
何ら問題無いのである
正確には
「スナップ用途なら全く問題ないレベル」
と表現できる

2万のレンズに正確静寂爆速AFを求めるのもお門違いだと思うが、それでも正確で静かで十分速い

絞ればAFを迷わす方が難しいレベルの実用性

下記はf8.0まで絞った時の作例だが、被写体認識AFも問題なく使えた


ついでにバイク繋がりでもう一枚紹介
絞れば特に問題ない絵を吐き出す
作例
スナップを中心に作例を撮影した
設定はすべてJPEGで、フィルムシミュレーションやトーン調整をカメラ内で行っている
(写真によっては若干トリミングをかけてあるものある)
このレンズを購入してから、1ヵ月余りX-T5につけっぱなしにして記事を書いた、
作例を撮り終えて振り返ってみると、
近距離も遠距離も卒なくこなしてくれるなという印象
作例において、被写体が多種多様なのは、それだけ多くの場面に持ち出しているということ

スナップ写真において最も重要なことは、
その現場に居合わせた上でカメラを所持していること
このレンズの大きさと軽さがあれば、カメラを持ち出す頻度がこれまでより増えるだろう

「携帯性」というスペックは、これまであまり気にした事はなかった
このレンズのレビューを作成するにあたって、遠方への出張や、なんでもない食事にもカメラを持ち出すようになった
この事実は購入前では予想できなかった、大きな変化だったかもしれない

まとめ
特有のクラシックな描写や強烈な周辺減光、逆光耐性の弱さなどの弱点はあるものの、それらを気にさせない程の超低価格、小型超軽量スペック
解像度やAFも実用的なレベルなので、使用環境や目的によって評価が分かれるレンズだと思う

が、レンズ本体の価格は純正の単焦点レンズたちに比べると誤差の範囲と言っても良い
とりあえず何も考えずに、Amazonのカートに突っ込んでおいてもいいだろう

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