さて突然であるが、このブログで紹介している各種ライティング機材について、一貫したテーマがあるのはご存知だろうか
それは「機動性」である
過去の記事より、
いずれの機材も小型軽量である事が売りである
せっかく自慢のバイクでツーリングをしているのに、
ちょっとライティング撮影をしようと思うと、荷物の量が尋常じゃなく増える
「撮る事」が目的のツーリングであれば問題無いが、
「走る事」が目的のツーリングであれば、荷物はなるべく少ない方が楽だしカッコいい
撮影機材満載の大きなバックを背負い、そのバッグからは三脚がはみ出てるときたらもうダサいなんてもんじゃ無い(過激派の意見です)
そんな訳でこのブログで筆者が提唱するのは、
「手軽に携帯出来るサイズの機材でどこまで美しく撮れるか」
なので「機動性」を第一に追求するコンテンツとなっている
こちらの写真は、筆者が機動性ライティング撮影を行いたい時のウェストポーチに入っている機材の一例
そして上記機材で撮影した写真はこちら
勿論パーツ毎に撮影して合成を行っているが、
ポーチに全て入る機材、このクオリティで撮影が出来るのは大きなアドバンテージではないだろうか
筆者の本業はカメラマンなのでスタジオを利用する事が多い、スタジオにバイクを持ち込んで撮影すればそりゃカタログみたいな写真が撮れる
大型の機材を多用すれば、誰でもカッコいい写真は撮れるだろう
上のスタジオ写真の機材は総重量200kgは軽く超えるだろう
それを持ってツーリングするのは余りにも現実的じゃない
そもそも、なぜライティングが必要か
まず下記の写真をご覧いただきたい
カメラを三脚に乗せて撮影した画像であるが、
何の変哲もないカフェの一角を写した写真に仕上がった
続いて、こちらの画像はライティング撮影をした画像である
店先のオフロード車両が強調され何が主体の写真であるかがわかりやすくなった
Ulanzi
話変わって(いや、本題に戻って)
カメラ好きが、Amazonで撮影系機材を探している時、よく見かけるメーカーがある
「Ulanzi 」
ウランジって読むらしい
低価格で様々な機材を販売しているメーカーで、購入した事ある人も多いのではないだろうか
2015年に設立されたUlanziは、
撮影アクセサリーの設計と製造に特化したメーカーで、中国深圳に本社を構える
これまでに手がけたプロダクトは600種類、400以上の特許も持つ
そんなUlanziがユニークな照明機材を発売したので購入してみた
Ulanzi UA12、UA20
まずは製品画像を見てもらいたい
(ここから登場する写真は全てUA12)
通常のバー型LEDライトの様だが、
ここに浮き輪の様な空気を注入する口が付いている
タイトルからも想像できるように、この機材は自分で空気を入れ、膨らませてから使用する製品となっている。
もちろん空気を抜いた状態ではコンパクトに折りたたんで収納することが可能になっている
この製品の最大の特徴は、膨張式となっている点にある
サイズ展開は2種類、UA12とUA20
12、20の差は明るさと大きさ
UA12
最大光量は12wで長さは60cm
MAX光量で75分点灯可能
UA20
最大光量は20wで長さは90cm
MAX光量で55分点灯可能
折りたためる事以外は、普通のバー型ライトと大差ない印象
非常に軽いのでカメラにクリップオンでジンバルに乗せても正常に動作するだろう(風の影響はしらん)
2700K から6500Kの色温を1%から100%まで調節可能で、12種類のエフェクトモードも備える
表示パネルはバックライト付きのフルカラー液晶
密閉構造なので膨らませた状態で飛行機には乗せられない
本体背面にはマグネット2カ所搭載しており、鉄製のものであれば、どこでもくっつけることができる
強いて言えば、TPU素材で出来ているので防水性がある点がメリット
USB端子も防水キャップが付いている
三脚穴はマグネットを使用してアダプターを取り付ける
N52ネオジム系磁石で、磁力はかなり強いので外れる心配はなさそうだが、物の直上や人物のトップライトに使用する場合は脱落防止対策は必須
吊り下げ用ストラップも付いている
バッテリーはUA12の場合、
2500mAh15wの入力に対応しているので、2時間で充電完了する
大きさ比較
他の製品と比較してみる
左から
Ulanzi UA12
ZHIYUN FIVERAY F100
NANLITE PavoTube Ⅱ 6c
FIVERAY F100は100wの明るさを持つハイパワーバーライトだが、バッテリー内蔵の関係で発光面積は躯体の2/3ほど
PavoTube Ⅱ 6cは手持ちの中で最も軽量だが、Ulanzi UA12と比較して1/2のサイズ
バイク撮影
実際に使用してみよう
今回準備した道具はこんな感じ
カメラはFUJIFILM X-T5とXF 35/1.4R
Ulanzi UA12とLeofotoのMT-04
GODOXのAD-E2とinsta360のロッド
カメラを含めてもロープロのCS80というケースに全部収納できる
とりあえず現場に到着、
暗かったので、UA12を壁にくっつけて機材を準備する
一点難点があり、光の拡散が問題になった
現状だと光はかなり広範囲に拡散しており、ライトを持っている人間に光が当たってしまう
下記はグリッド付きのライトの写真
グリッドによって光の拡散が制限され、バイクにのみ光があったいる
しかし、UA12ではかなり広範囲に光が拡散する
これでは人間の足元に光が当たってしまう、
かなり長いロッドを用意するか、光の照射範囲の制限が必要
当日現場では、気休め程度に根本側(人間側)を黒パーで隠してハレ切りをしておいた
この点は工夫次第で何とでもなるので大きな問題ではない
そんな感じで、撮影した素材の一枚はこんな感じ
ライトサイズも合間って綺麗な光源が得られている
ハレ切りのお陰で人物には光が当たっていない
その後、Photoshopで合成して完成
タンク周りやエンジンなど、比較的フラットの光が映り込んでいて綺麗な仕上がり
他の画角でも撮影してみる
こちらは別カットの撮って出し素材写真
ライトの大きさも相まって、この1枚でもかなり綺麗な光源が得られている
カメラ側に対する光の漏れを完全の抑制出来ればこのままでも使えそうな一枚
色々素材を合成して完成したカットはこちら
実は冒頭に紹介した画像もUA12で撮影した画像
カメラははCanon R6とEF 24-70/2.8
膨らむという事は、膨らまなければフレキシブルライトになるという事
中の空気を少量にして物撮りに使用してみた
気になった点
・UA12は若干の光量不足
これは購入前から分かっていた部分であるが、やはり12wは心許ない
夜でも地明かりが暗い所など、場所を選んでしまう
・ライトアクセサリーが使えない
上でも書いたのだが、グリッドやバンドアを使用した光の制御が出来ない
まあ構造上仕方ない気もするが、もし使用できれば、意図しない光による余分な手間を省く事が出来るし、表現の幅も増えるだろう
・耐久性が心配
膨らませて使用するという事は穴が開くリスクを排除できない、見たところレジャー用の浮き輪と大差ない様に思いが、屋外で地面に置いたりする場合は神経を使う
・原価を考えると割高
筆者は原価厨ではないのだが、内蔵されているLEDの数やバッテリー容量、各種機能を考えると割高に感じる
「膨らませて使用できる」という付加価値のコスパが悪い気がする
・息で膨らませるのにやや抵抗がある
まぁこれはしっかり消毒しておけば問題ない
まとめ
今回は新しいタイプのライトを買ってみた
コンセプト自体は「なぜ思いつかなかったんだろう」って思うぐらいシンプルなもの
機動性と得られる絵は唯一無二のものであるが、価格や耐久性が心配
今後、他のメーカーからも同じ様な製品が出てくると思うので、その辺りの心配も解消されるかもしれない
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