CONTAXというメーカーがある
カールツァイスとヤシカが合併して1975年に誕生した
以下は「CONTAX T」シリーズ中でも主要な機種の特徴
1984年 「CONTAX T」
「Sonnar T*38mm f2.8」を採用し、レンジファインダーなのでMF(世の中はNikon F3の時代)だがアルミ合金外装とツァイスの有名なレンズ銘、人工サファイヤレリーズボタン、ポルシェデザインによるデザインを与えた「高級コンパクトカメラ」という新しいジャンルのカメラだった
それまでのコンパクトフィルムカメラはプラスチック製の外装で大衆向けの低価格モデルが主流だったが世はバブル景気の真っ只中
カメラだって高級路線を突き進む
が、実際に「高級コンパクトカメラ」が一斉を風靡するのはもう少し後の話
1990年 「CONTAX T2」
Tの後継機として発売 AFを搭載し絞り優先AEを中心とした操作系に一新、商用的に大ヒットした「高級コンパクトカメラ」でCONTAX Tこそあまり売れなかったもののT2は後の高級コンパクトカメラ流行を牽引する火付け役ともなった
1993年 「CONTAX TVS」
本記事の主役が登場
VSはバリオゾナーの略で「バリオ=可変」
CONTAX T2に28-56mmのズームレンズを搭載したモデルだが、AFの性能は進化しているらしい
TVSは1993年の1型から1997年の2型、1999年の3型まで生産が続く
2001年 「CONTAX T3」
T2よりも小型化されT* Sonnar 35mm f2.8を搭載、T2よりも高画質化を図ったモデル
「高級コンパクトカメラ」の最後を飾るモデルとして持てる技術を全て集めたカメラ
価格はありえん高い
CONTAX TVSというカメラ
上記のようにT2にズームレンズを搭載したモデル
Vario-Sonnar28-56mnで絞りはf3.5からf6.5とやや暗め
絞リングを搭載されているが非常に薄いので操作はやや難しい
f3.5の右側はPになっておりここに合わせるとプログラムオートになる
シャッターユニットは1秒から1/500のレンズシャッター
セルフタイマー付き
ファインダーは実像式、なんちゃってパノラマ機能が備わる
AFはパッシブ式で電池はCR123Aなのでちょっと割高
フィルム室には窓が付いており、現在装填されているフィルムが確認できる
右からストロボ、露出計、ファインダー、AF受光部、AF発光部
ズームレンズはレバー式だが、鏡胴を回しても操作できる
作例
適当にスナップ
キタムラ現像のキタムラスキャン
ダウンロードしてそのままのデータ
フィルムはKodak Gold 200かLomo 800
以下は自分でスキャン、適当に現像した写真
第一印象はよく写るレンズだなあと
明るい場面であれば絞りが稼げて画質も良好
レンズシャッターも相まって私の所有する他のカメラよりもスローシャッターに有利
AFでストロボもオートなのでなにも考えずに写真が撮れる、
暗闇だとファインダーが暗いのでややフレーミングしにくい
どうでもいいが他のストロボをスレーブ発光することができた
露出補正は±5EVまで行けるので絞り優先AEを誤認させ、ジェネレータータイプのストロボを同調させる事が出来た
まとめ
なぜTVSを買ったか
普段使うカメラはLeica M10
デジタルフルサイズレンジファインダーカメラだ
今回買ったのは135フィルムのAFカメラ
ざっくり言えば超高性能のズームが出来る写ルンです
なにも考えずにシャッターが切れる
よく「フィルムカメラを使うと1枚1枚丁寧に撮るようになる」と言われる
私の場合はそんな事なかった
フィルムカメラへの考え方が違うのもあるだろうが、「簡単に撮れるカメラ」を持った私は1時間でフィルム5本を撮り切った
TVSは28-56mm
Leicaで通常私がスナップする際の常用域をぼぼ全てカバーする
しかもLeicaとは違い、寄れる
なにも考えず、目の前の風景を記録していた結果、
金額にしてフィルム代が約4000円、現像スキャンで約6000円と1時間で1万円が財布から蒸発した
ここへきて改めてデジタルカメラって凄いんだなと思った
この事こそCONTAX TVSに対する私なりの正当な評価だろう
簡単に撮れるコンパクトで高級外装の全自動フィルムカメラ
しかも安い
某フリマサイトで2万円ちょっとだった
お手軽に始められるフィルムカメラライフの入門機に最適なのは勿論のこと
フィルム特有の「エモい」写りを求める方
持ってるだけで「玄人臭」を演出したい方
普段中判以上のラージフォーマットを扱う方
CONTAX TVSいかが?
(ちなみに私はフィルム特有の「エモい」写りが欲しかった)
0コメント