Husqvarna Svartpilen 401 買わせた話


スクランブラーというバイクジャンルがある
意外と歴史の古いジャンルで、
「Scrambler」とは「混戦」「ごちゃごちゃ」「敏捷」などの意味がある

スクランブルレースはご存知だろうか

「スクランブルレース」
その歴史は意外と古く、聡明期の資料を漁っていると現代的なバイクが登場して間もない1920年以降からバイクによるダートレースがあったらしいが、第二次世界大戦終結後の1950年代、舗装道路ではなく荒れた未舗装道路でのレースが人気を博した(というか舗装された道路が少なかった)
ここで使用されるバイクは、現在のオフロード向け車両とは異なり、オンロード車両にブロックタイヤ、アップマフラー、幅の広いアップハンドルなどのカスタムをした改造車両を使っていた
↑参考:YAMAHA YX26
というか、
オンロード、オフロードの区別が曖昧だった時代だった
なぜオフロードバイクが開発されなかったかといえば、オンロード用レースマシンのエンジンパワーを持ってすれば上記のような改造だけで勝てたからである
しかし、ハスクバーナなどからオフロード専用モデルが登場すると他のメーカーもそれに続き、1960年以降に本格的なオフロード専用車両が次々の登場する、これも現在のモトクロスバイクとはイメージが異なり、現在のスクランブラーバイクに強く影響を残した形となった
1970年代に第一次オフロードブームが到来し、多種多様なバイクが登場することとなる
↑参考:1968年発売 YAMAHA Trail 250

1980年代以降、モトクロッサーやエンデューロなど本格的なオフロードバイクが登場することになる
↑参考:1980年 YAMAHA YZ125

ちなみに、
1本サスや倒立フォークなど現在のオンでもオフでも見かける装備は1970年代後半のオフロード車両が最初に採用した
今やMotoGPでは当たり前の装備もルーツがオフ車にあるは意外

さて、オフロード車両はこの様に進化してきた訳だが、スクランブラーも現在まで根強く派生してきている

最初に「スクランブラー」と名乗ったのは
「Ducati  Scrambler250」
1962年のアメリカで登場
以降、SR400などの車両をスクランブラーにカスタムするビルダーが多く登場した

国内では1980、1990年代にYAMAHA TW250やHONDA FTR、SUZUKI グラストラッカーなどが登場する
↑YAMAHA TW250

軽い車体と250ccのシングルエンジン、ブロックタイヤとアップハンドルでフラットダートなら平気で走れる、初心者やリターンライダーの最初の一台、ベテランのセカンドバイクとして、大いにブームを巻き起こした
が、2000年代に排ガス規制を乗り越えられずにいずれも生産終了となった

その後もTriumph、Ducati、BMW、YAMAHAなどから現行のスクランブラータイプのバイクが販売されている



そして今日は
Husqvarnaのスクランブラーバイク
Svartpilen 401 2020年式を友人に買わせたのでネタにする


超絶長い前書き終了

さて私はHusqvarnaのVitpilen 401 2020年式に乗っている


Vitpilenの姉妹モデルにSvartpilenがある


今日はその、Svartpilen 401 2020年式を友人のN村君に買わせたのでネタにしようと思う


と、その前にVitとSvaの違いについて解説

写真は納車後のSvartpilen 401 2020

なお、以降はSvartpilen、VitpilenをそれぞれSva、Vitと表記する


SvartpilenとVitpilen

※お詫び
SvartpilenとVitpilenの外装が入れ替わっているのでカラーリングが通常と異なります。
理由は後述にて

この2台は基本的に

同じエンジン、同じフレームを採用しているが、

・ハンドル

Vitはセパレートハンドル
Svaはアップハンドルとなる



・シート

Vitは1枚物のフラットシート
Svaは分割式のシートでブロックが入っている
シート高は両車とも同じ


・タイヤ

サイズは一緒で、共にチューブタイヤ
Vitの純正タイヤはMezzerのSPOLTIC M5
Svaはピレリのスコーピオンラリー STR
タイヤライフはSvaの方が圧倒的に長い

・カラーリング

Vitは白いタンクカバー
Svaの黒いタンクカバー
他にも、
・ホイール
・エンジンハンガー
・ステップガード
・テールカウル

・ホイール

が色違いとなる
Svaのステップには肉抜き加工が施されている

Vitpilenはスウェーデン語で「白い矢」という意味
Svartpilenは「黒い矢」という意味になる

・ステップ位置

Svartpilenの方が1.5cmぐらい前に装備されている(らしい)

・タンクキャリアマウント

Svaのタンク上部にはタンクバッグ用のステーが初めから装着されているが、Vitには無い
車体が一緒なのでVitでも後付けは可能


・マフラーガード

Svaはマフラーガードが装備されているがVitには無い



長々と書いてきたが、あとは基本一緒



購入経緯

さて、私の友人であるN村君

現在彼はカブに乗っており、中型免許取得の為に教習所に通い始めたところ


「免許を取ったら何に乗りたいか」について話は盛り上がる

正味、バイクは買う前にする下調べが一番楽しい

曰く、「オフロードも走れるバイクに乗りたい」とのことだった

「でもオフ車は攻めすぎているし、セローとかDトラに乗りたいなぁ」みたいな感じで話はまとまりそうだった


そこで私はこの動画を彼に見せた

Svartpilenが荒れた道を疾走する動画である

これを見たN村君、大興奮

畳み掛けるように、

2020年12月某日、彼をHusqvarna 川崎中央へ連れて行った


実際の車両を目の前にテンション爆上がり中のN村君


一通りの説明を聞き、見積もりをもらいこの日は終了


参考までにSvartpilen 401 2020の見積もりを掲載する
オプションでETCとUSBポートを追加している

コミコミで約85万円となった



帰りがけにHusqvarnaのキーホルダーを頂いた

その際に「唾かけておくんで契約、お待ちしております」と、


彼はキーホルダーを愛車のカブの鍵に取り付け今でも愛用している

ハスクバーナのロゴが入ったカブのエンジンキーである


そして年明けの2021年1月某日、

一緒にディーラーへ行こうとLINEが来たときに全て察していたが、

N村君はしれっと契約した

本当に欲しい奴は何も言わずに買うのだ




納車
さて月日が経ち、2021年3月3日
N村くんを私のVitpilen 401でタンデムしてディーラーへ向かい、納車の儀を行う
ETCの利用規約などの書類記入
バイクの基本的な機能、注意点などの説明を受けて終了
ちなみに2021年モデル以降はサービスマニュアルは紙媒体ではなく、インターネットからダウンロードする方式に変わったそう


その後、彼はリザーバータンクのキャップを追加購入していた

ディーラー「ここで装備していくかい?」
Husqvarnaのロゴ入りで、お値段3000円ちょっと
私も買おうか迷った


ODOメーターは5kmだった


さて、
N村君は免許取り立て
原付以上のバイクでは、車を含めて公道走行初となる

いざ実車に跨るとなると、頭を抱えて
「買っちまった...」と呟いていた
この日の為にアライのヘルメットとクシタニのジャケットを新調したそう


が、特に危なげもなく、なんなく乗りこなしてる印象
↑左は納車直後のN村君、右が撮影の為にアホみたいにデカいリュックを背負う筆者

そのまま馴染みのライダースカフェで昼食を取る


そして、横浜へ向かい、本記事で使用する写真を撮影して記念すべき納車日は幕を閉じた

SvaとVitの互換性

車体が一緒ということはシートやカウル類には互換性がある

ただ、年式を超えて互換性があるかはパーツ毎に異なる
確定でマフラーやタンクカバーは年式を超えての互換性がないので要注意
今回はタンクカウルを交換してみた
レンチとソケットを使ってタンクカウルを取り外す
作業時間10分
↑身ぐるみ剥がされたVitpilen 401
やはりタンクは125cc並に小さい
外装外して初めてクーラントが少ない事に気付いた
↑取り外したカウル
当然同じ形なので流用が可能
勢いでシートバッグとタンデムバーも外した

そんで、
VitとSvaのカウルを交換した状態

私のVitは、黒い「白い矢」となった
N村君のSvaは白い「黒い矢」に

両車とも、中央のカウルだけは残してツートン仕様にした

正直かっこいいと思うので、暫く交換して走る事に



↑ Vitpilen 401 黒カウル


購入直後からボディはオールペンしたかった

外装変えたついでにボディをガラスコーティングし、リアウィンカーをナンバー横へ移設して私のVitのやりたいカスタムはほぼ全て終了


↑ナンバーウィンカーに変更したのでリアテールはスッキリした

あとはバックステップとフロントフォークの付きだしぐらいか


話を戻して、

筆者もSvaに乗ったがエンジン等もVitと同じなので何もかも一緒
ポジションが楽なので疲れにくそうではある
あとは高速域で風がキツいぐらいの差しかない
(筆者のVitはマフラーを交換しているので信号待ちからの出だしは純正のSvaの方が速かった)


クーラント漏れ
案の定、クーラントが漏れてきた
これは他の車両でのあるあるみたい
幸いにも緑色の液体なので発見判別がしやすい
筆者のVitも納車直後に同じ現象が発生した

キャップを締め直して修理完了


タイコ キャンセル
svartpilenには大型のタイコ(膨張室)が付いている
↑筆者のVitpilen 401のタイコ


コレがある事で低速トルクの確保や音量の低減など様々なメリットを得られる

が、svartpilenではタイコを取り外している


装着したのは
Competition WerksのChamber Delete

2019年式とはエキパイの取り回しが異なるので2020年式になってからはまだチャンバーキャンセラーは発売されていなかったのだが、最近ようやく発売された
マフラーは純正のままだったがだいぶ音量が上がった

低速トルクが下がるかと思いきや、思いの外に維持したまま

タイコの重さは実測値で3.6kgと重い
交換しただけでも相当な軽量化に繋がる


エンジン側のガスケットは純正のものを流用

気になる特性の変化だが、
筆者のVitpilenはタイコは残してサイレンサーを汎用のスリップオンに変更している
両者を比較するとVitpilenの方が低速トルクが薄く、svartpilenの方が最高速度が落ちた印象

Husqvarnaの純正マフラーの見た目は割と好みなので、
「音量を上げたいけど見た目とトルクはある程度維持したい」
見たいな方にオススメ

まとめ
125ccの登場により、注目を集めつつあるSvartpilen、

軽快な車体と鋭い加速に、
KTMとパーツ互換がありアフターフォローも手厚く、誰もが注目する優れたデザイン
そもそも、400ccクラスの高回転型シングルエンジンは希少性が上がりつつある
バイクに乗りたいけど、人と被りたくない
でも、ゴリゴリにカスタムするのはお金も掛かるし面倒臭い...

フラットダートぐらいなら行けちゃうようなバイクが乗りたいけど、ゴリゴリのオフロードバイクはちょっと違う...

シングルスポーツが好きだけどセパハンは攻め過ぎてて嫌だ...


みたいな方々にSvartpilenをお勧めしたい
これだけ条件が揃ってお値段85万円は安いのでは?


関連記事

0コメント

  • 1000 / 1000